満足のいくブライダルメイクを完成させるには、ヘアメイク担当者との十分なコミュニケーションがカギになることは、「ブライダルメイクの成功はリハーサルで決まる」でもお話しした通りですが、自分の要望をストレートに伝えるという行為は案外難しいことも多いものです。
結婚式場などの場合、式場専属のヘアメイクさんの押しが強くて自分の意見が言いにくい状況になったり、こちらの言い分が伝わりにくい人が担当になったりすることもあります。
控えめな人だと、担当者の経験やセンスに押し切られる形で、自分の魅力がまるで活かされないヘアメイクを施され、泣きたい気持ちで式に臨んだというケースが多いのはとても残念なことです。
ブライダルメイクは、ウェディングドレスやお色直しのカラードレスが映えるよう、多少濃い目にしっかり作り込むのが基本です。
そのため、ヘアメイク担当者に全てお任せした結果、インパクトはあるけれど自分らしさがまるで無い顔や髪型になることは、よくあります。
ヘアメイクについての要望は、「絶対にこうしたい」「できればこうしてほしい」と、「絶対にしないでほしい」「できれば避けたい」の2つのベクトルを基軸に、優先順位をつけて整理し、具体的に伝える工夫をしましょう。
リハーサル無しで当日のヘアメイクとなった場合は特にですが、要望はできるだけ「具体的に」伝えることが基本です。
ティアラを付けるスタイルに多いアップヘアは、髪の盛り具合や形にこだわりたい人が多いものですが、その場合は「もっと高く」ではなく、「あと2センチくらい高めに」という風に、感覚に頼らないオーダーの仕方がポイントになります。
背の高い人などは逆に、できるだけ高さを抑えてほしいことを強調して伝えるようにしてください。
雑誌のブライダル特集記事から切り抜いた写真のほか、好きなイメージが伝わる写真、絵などのいろいろな資料をたくさん集めて、担当者に見せる方法もおすすめです。
また、当日着用するドレスやアクセサリー類も、持参するのが難しければ写真に撮っておいて担当者に見てもらえばOK。
口で伝えきれない部分はヴィジュアルをとことん利用した上で、譲れない部分についてははっきり伝えるという姿勢が大切なのです。
担当者に対して、どうしても意志の疎通が難しいと感じたり、要望が反映されない、技術レベルが足りないなどと判断したとき、別の人を指名することは決して悪いことではありません。
式の当日では難しいかも知れませんが、ここで遠慮したために記念写真から笑顔が消えることを考えれば、勇気を持ってチェンジを申し出るほうが後悔しないはずです。
ブライダルヘアメイクのクライアントは、あなた自身です。
真のプロは、クライアントの要望を聞き入れつつ個性を引き出すコーディネートを考えてくれるので、予想以上の仕上がりが期待できるでしょう。